えのきどいちろう著サッカー茶柱観測所

えのきどいちろう著「サッカー茶柱観測所」を読んだ。
斜に構えて批判的なサッカーライターが多い中で、ポジティブでサッカー愛に満ち溢れた文章を書くえのきどいちろうさんが大好きです。
着眼点、展開力、文章表現、全てにおいてやっぱりプロって凄いなあって思う。僕もブログでサッカーに対する想いを文章にしてるわけだからアマチュアのライターなわけだ。サッカーで言えば僕は草サッカー愛好者で、えのきどさんはレッズのポンテみたいなもんだ。ええー、そこにパス通すか?みたいなコラムばっかり。
もちろんそんなレベルの差は当たり前のことでね。大して悔しくもないんだけど、一番嫉妬を感じたのはえのきどさんのサッカーに対する愛情の深さ。ライターに文章で勝てないのはともかく、サッカー愛でもえのきどさんに勝てそうもないのは悔しいなあ。でも悔しいけど嬉しい。サッカーが大好きな人の話はとっても幸せな気分になれますねえ。
最初にも書いたけど最近ネガティブなサッカーライターって多いでしょ。年間200日以上の海外サッカー取材を誇るとかってライターは海外サッカーがいかに素晴らしいか語っていれば良いと思うわけです。そういう年間165日未満しか日本にいないライターにJリーグの批判されても素直に耳を傾けられないよ。例えばその人は年に浦和レッズの試合を何試合見に来てるんだろうか?2,3試合?ゼロ?まあ何試合でもいいけど、埼スタに数回しか来たことない人に、ちょっとクラブワールドカップの試合を見ただけで、レッズサポーターの応援は全然ヨーロッパ基準じゃねえとか言われても反感買うだけ。サッカーチームに限らず誰でも好きなものを、詳しく分かってない人に批判されたくないでしょ。批判するならそれなりの覚悟と準備が必要なのに。スペインやイングランドのサッカーが好きならその素晴らしさを伝えれば良いじゃない。何もJリーグを貶める必要なんてないじゃない。リーガエスパニョーラもJリーグもどっちもスゲーで良いじゃん。一度自分の体を動かしてサッカーをやってみて欲しい。サッカー愛が足りないんじゃないかって思います。
そこへいくとえのきどさんは、サッカーの面白さを余すところなくというか誇張してるんじゃないかと思うくらい目一杯伝えてくれる。えのきどさんにかかるとJ2の試合でもエル・クラシコばりに白熱した試合になる。とにかくサッカーを見に行くたびに
「もの凄い試合を目撃してしまった」
となる。
僕は正直えのきどさんほどサッカーを愛してるか自信がない。しかも驚くのはえのきどさんは全然サッカー専門のライターさんじゃないってことだ。大部分を占めてるわけでもなく、むしろサッカーはえのきどさんのほんの一部らしい。それでも僕の全力投球のサッカー愛はえのきどさんにかないそうもない。あとがきの山田五郎さんの言葉を借りればライターっていうのは好きになる力のことらしい。
僕はこのサッカー茶柱観測所を読んで強くそう思う。僕の文章力はえのきどいちろうさんに遠く及ばないけども、本当に差があるのは、サッカーを好きになる力なんだと思う。
これからもえのきどさんはサッカーだけじゃなく野球やホッケーといろんなものをさらに好きになっていくだろう。僕はせめてサッカーを好きになる力だけはえのきどさんに離されないようにしたい。
ちなみにこの本を読んで知ったのですが、えのきどいちろうさんは僕の高校、大学の先輩でした。えのきどさんもオコシの地学とかショウジの古文とか習ってたのかと思うとなんかすっごい親近感。いつかサッカー場で出逢ったら話しかけてみたいと思う。

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